保育実習理論♪問題の解きかた講座①伴奏問題

保育士試験
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徹底講座でテッテー的に基礎をつんだら、
どんどん問題にトライしていきましょう。

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1回目のテーマは「伴奏問題の解きかた」です。

平成23年から最新の令和3年前期まで、
問1で必ずでている問題です。

右手のメロディに合うように
左手の伴奏部分を選ぶ問題。

解くコツをずばり紹介していきますので、
1問目からくじけることないように攻略しましょう!

伴奏パターンを見抜くコツ

お決まりコードを覚える

よほどの前衛的な曲ではない限り、
伴奏、つまりコード進行には
基本パターンがあります。

特に「子どものうた」は、
ほぼ基本パターンで作られています。

次の項からの
メロディに着目する方法の前に、
大前提として「基本パターン」を覚えておきましょう。

子どものうた・・・に限らず、
曲の最初と最後は、
Ⅰのコード(トニック)が多いです。

Ⅰのコードとは・・・
長調だったら→Cメジャーコード
長調だったら→Fメジャーコード
長調だったら→Gメジャーコード

のことです。
メジャーコードを復習する
調を復習する

つまり、
調の名前(日本語の音名) →「英語音名」の
メジャーコードなのです。

日本語とか英語の音名を復習する

各調のトニックコード
伴奏問題について過去問では赤い文字の調しか出ていません。

これらのメジャーコードの3つの音が、
あれこれ合わさった伴奏パターンが、
必ず「曲の最初と最後」に使われます。

ではハ長調の例を見ていきましょう。

ハ長調のⅠのコード(トニックコード)は
Cメジャーコード
です。

構成音は「ド・ミ・ソ」ですね。

曲の最初と最後は、
「ド・ミ・ソ」を組み合わせ た伴奏パターンが
使われています。

ハ長調の始まりの例
【ハ長調の始まりの例】
ハ長調の終わりの例
【ハ長調の終わりの例】

曲の終わりは、Ⅰのコード(トニックコード) の
「根音」で終わる
ことが多いです。

曲の終止として安定感が生まれるからです。
ハ長調の場合は「ド」ですね。

曲の最初と最後のお決まりパターン、
つまり「調の Ⅰのコード(トニックコード) 」
を覚えておくと、迷いなく選ぶことができますよ!

メロディから見抜く

問題に出されている歌を
知っていても、知らなくても、
とにかく「メロディに合う」伴奏を見つける!
にはコツがあります。

メロディを見ただけで
パッと音がひらめく人はすぐ選べますが、
そうではない場合・・・

①メロディの音を書く
②伴奏パターンの音を書く
③伴奏パターンからコードを導き、
メロディとマッチングさせる。

それでは手順をひとつずつ解説していきますね。

解説するために、この例題を使います。

例題

手順① メロディの音を書く

手順①

音を読むのに時間をかけないでくださいね。
チャチャっと書けるように、
普段から取り組んでおきましょう。

曲の始まりはⅠのコード(トニックコード)
というのも念頭に入れておきましょう。

手順② 伴奏パターンの音を書く

次に
選択肢の伴奏パターンの音を読みます。

手順②伴奏を読む

「ト音記号」と「ヘ音記号」を取り違えないように、
しっかり間違えないで書いていきましょう。

手順③ 伴奏パターンとメロディをマッチング

コードを意識する

マッチングするときに大事なのが、
伴奏パターンの「コード」を意識することです。

保育実習理論の問1で出される「子どものうた」は、
例外なく「3つのコード」しか使われていません。

そしてコードは、
メロディに合うものが使われるので、
コードの構成音が「より多く」出てくるメロディと、
コードをマッチングしていけば良い
のです。

各調の「3つのコード」を覚えるのは、
ちょっと手間がかかるので、
時間に余裕がある人だけ覚えましょう。
※後述しますね。

「3つのコード」を覚えなくても・・・

伴奏パターンは「コード」の構成音の
組み合わせでできているコードの構成音をより多く含むメロディが、
そのコードに合う

以上のポイントを押さえて
マッチングさせていきましょう。

では先ほどの例題の伴奏パターンの
コードを導いてみましょう。

伴奏の音をまとめる

コードネームがひらめいた人は、
書いてみましょう。
手がかりになりますよ!

※コードネームが分からなくても大丈夫。

見てわかるように、
3つの組み合わせ(コード)に分けられましたね。

この音のグループに合う音を、
より多く含むメロディを選んでいきます。

メロディを仕分けしていく

先ほどメロディの譜読みはしましたね。

その音を、
今度は「どの伴奏パターンに合うか」
仕分けをしていきます。

例題の場合、メロディの音が
「ドミソ」「ドファラ」「シレソ」の3つのうち、
どのグループにあてはまる音が多いかを見ます。

コードとのマッチング

Aのフレーズは1小節にわたって、
圧倒的に「ドミソ」に当てはまりますね。

なのでAの答えは「ア」です。

曲の最初なので「ドミソ」の確率も
最初から高いです!

Bのフレーズは「ドミソ」と「シレソ」で
ちょっと迷いますね。
「ドミソ」 に当てはまる音が多いから。

でもフレーズ中ずっと「ドミソ」の
Aはもう選んでしまったし。

BとCをよく見ると、
伴奏パターンが2つに分かれています。

前半と後半にわけて考えると、
前半が「ドミソ」後半が「シレソ」
と考えられますね。

そうすると
Bの答えは「ウ」がぴったりです。

となるとCの答えは・・・消去法で「イ」

ですが、きちんと見ていきましょう。

3つのコードに合う音が、
あちこちにありますが・・・

このフレーズも前半と後半にわければ、
一目瞭然ですね。

前半は「ドミソ」後半は「ドファラ」が
ピッタリ合いますね。

ということでCの答えは「イ」でした!

このように伴奏の「コード」を意識してから
メロディをチェックすると、
合う・合わないがハッキリしてきます。

メロディからスラスラ選べる方は、
その方が速いので、それでOK!

しかしメロディから直接えらぶのが難しい方は、
ぜひ伴奏パターンからメロディをマッチング、
という方法をおススメします。

おぼえて損しない~3つのコードとは

覚える余裕がある・・・という方に、
プラスワンの重要事項です。

問1の伴奏問題は、
コードは関係ないように思いますが・・・

コードを意識するだけで、
自信をもって伴奏パターンを選べると、
例題でわかったと思います。

なぜなら、
①メロディに「コードを特徴づける音」
が使われているとき「コードを限定できる」
②伴奏パターンの「コード」を見抜いたら、
メロディとのマッチングができる。

という理由です。

3つのコードとは・・・「主要3和音」

問1で出される「子どものうた」は、
ほぼ「3つのコード」の構成音を並べた
伴奏パターンで出来ています。

この「3つのコード」とは、
コード伴奏の初心者が真っ先におぼえる、
ハ長調なら「C」「F」「G」です。

これを「主要3和音」と呼びます。

下の楽譜は「ふるさと」です。
このように、
シンプルな伴奏だと「主要3和音」で弾けます。

3つの主要コード
【主要3和音で演奏できる】

言葉をかえて言うなら、
この「主要3和音」以外の
複雑な伴奏パターンは問題にでません。

ただ5番目のコードは
セブンスになることがあります。

ハ長調の場合だと
GかG7ですね。

それでは、ハ長調以外の
他の調の主要3和音は?

これらを覚えておくと、
問題を解くときにとても便利です。

「主要3和音」は音階から

それぞれの調の「主要3和音」は、
調の音階を書くと分かりやすいです。

手順としては、
①調の音階を書く
②音階の1・4・5番目の音を「根音」にして
メジャーコードを書く
③②でできた3つのコード「主要3和音」で
伴奏パターンができている!!

各調の主要3和音+セブンス

すべての過去問を分析したところ、
問1では上記の4つの調でできた曲しか
出ていません。

※この先、他の調が出るかどうか・・・。
どうでしょうね。

なので、
この4つの調の主要3和音を頭において、
先ほどのマッチングをすれば、
問題はほどなく解けるはずです。

もしこれ以外の調が出題されても、
音階の1・4・5番目の音を根音にした
メジャーコード
と覚えてしまいましょう。

主要3和音をヒントに解いてみよう

では一問だけ、
ハ長調ではない曲で試してみましょう。

まめまき例題

上記のA~Dに当てはまる伴奏を
下記のア~ウから選びましょう。

まめまき_伴奏パターン

♯2つは「ニ長調」
「ファ」と「ド」に♯がつきますね。

♯とか調を忘れちゃった方は・・・復習

手順①
ニ長調の主要3和音を念頭において、
伴奏パターンの音をチェックしていきます。

ニ長調の主要3和音+セブンス
これをヒントにする!!
まめまき伴奏_音読み

ウの伴奏は「ソ・レ」しかありません。

しかし主要3和音の「G」と断定できるので
「ソ・シ・レ」のメロディに合うと判断できます。

手順②
「3つのコード」を意識してメロディを読む。

まめまき_マッチング

まずAから。
すべての音がG(ソシレ)にあてはまるので、
答えは=「ウ」

Bは前半はDでも良さそうですが・・・
この問題では「D-A」という伴奏は
ありません。

なので答えは=「イ」

最後のCは、DかGか迷いますね。

でも最初の項で触れたように、
曲の最初と最後は「トニックコード」
つまりニ長調の時はDで終わります。

※厳密にいえば終わらないこともありますが、
保育士試験に出る曲は・・・必ずトニックです!

なので答えは=「ア」です。

まとめー音楽の決まりごとをおぼえておくー

今回は伴奏問題の解きかたを解説しました。

大きなポイントは以下のとおりです。

伴奏問題を解くポイント
  • 曲の最初と最後はⅠのコード(トニックコード)
  • メロディ、伴奏ともに音を正確によむ
  • 伴奏のコードを意識して
    メロディとマッチングする
  • できれば各調の「主要3和音」を覚える

曲の最初と最後はトニックコードが多い、
主要3和音で伴奏が弾けちゃうとかは、
音楽の決まりごとです。

ぜひ前もって知識として覚えましょう!

そして何よりの大前提は、
チャチャっと音を読めるようにしておくこと
これに尽きます。

伴奏問題については、
さまざまな楽譜が著作権で使用できないので、
問題集や過去問題を解けないリスクがあります。

これを受けて、
著作権が消滅している曲や自作の曲で、
これからたくさん練習問題を作成する予定です。

でき上がり次第アップしていきますので、
それまで「暗記もの」に精をだしてくださいね!

2回目では「問2」で多い、
コード問題の解きかたを解説します