保育実習理論♪おぼえよう!音楽の基礎知識③音楽用語

音楽の基礎知識シリーズ③保育士試験
この記事は約8分で読めます。

基礎知識の3回目では、
音楽用語を取り上げます。

今の試験体制になった
平成16年から、ずっと、
毎年かならず出されています。

問2がまるっと音楽用語問題だったり、
問6の選択問題に出たりします。

なので「たった1問」と思わずに、
ざっくりイメージをつかんでおくと、
サクッと解けるようになりますよ。

大事な1問を落とすことないよう、
しっかり覚えていきましょう。

保育士試験に出る音楽用語

譜面に表記される標語や記号は、
演奏家も覚えきれないほど、
たっくさんあります。

その中から、
これまでの過去問に出てきた記号と、
その周辺の「出そうな」用語にしぼって
まとめていきます。

速度に関するもの

速度記号

■メトロノーム記号

メトロノーム記号

楽譜の一番上に示されます。

この音符(この場合は4分音符)が、
1分間に何コ入るか

という意味です。

上記の場合だと、
1分間にちょうど60個なので、
4分音符は1秒に1コ弾く、
ということになります。

同じ意味で、
M.M(Metronom Mälzelの略)
BPM(Beats Per Minute)が
使われることもあります。

速度の標語

速度を数字で表さず、
言葉でニュアンスを提示するものです。

遅いGraveグラーヴェ重々しく、ゆるやかに
Largoラルゴ遅く、広く(英語のlarge)
Lentoレント遅く、ゆるやかに
Adagioアダージョ遅く
(ラテン語の安らぎagio)
Andanteアンダンテ歩くような速さで
(イタリア語の歩くandare)
Moderatoモデラート中くらいの速さで
Allegrettoアレグレットやや早く 
Allegroより少し遅い
Allegroアレグロ快活に、速く
(明るく、陽気に)
Vivaceヴィヴァーチェ活発に、速く、生き生きと
(英語のvitality)
速いPrestoプレスト急速に、非常に速く
赤い用語は過去問で何回も出ています

速度を変更する用語

テンポを徐々に変化させる
正式名称略記読みかた意味
accelerandoaccel.アッチェレランド次第に速く
ritardandorit.リタルダンド次第に遅く
rallentandorall.ラレンタンドだんだんゆるやかに
この3つは、過去問でとてもよく出ています!

ritとrallは、ほぼ同じ意味です。

これら3つの速度変化の後に、
a tempoとか、in tempoで、
速さを戻すことが多いです。

速度を急に変化させる
正式名称略記読みかた意味
ritenutoriten.リテヌートただちに遅く
過去問で2回でました!

速度をだんだん変化する、
ritとよく似ているので注意です。

rit=だんだん遅く
riten.=ただちに遅く

速度を少しだけ変化させる
名称読みかた意味
piu mossoピウ・モッソ今までより少し速めに
meno mossoメノ・モッソ今までより少し遅めに
過去問で3回でています!

そっくりなので、
どっちが遅いか速いか・・・
しっかり区別して、
セットで覚えると良いでしょう。

速度をもとに戻す

もとに戻すときに、
どの「テンポ」に戻すのか、
ビミョーな違いをしっかり覚えましょう。

名称読みかた意味
a tempoア・テンポもとの速さで
rit.やacell.の後で
直前の速さにもどす
Tempo Ⅰtempo primoテンポ・プリモ曲の最初の速さに
もどす
令和3年後期の問題にでましたね!

一見、同じように感じますが・・・

曲の途中で、
ちょくちょく速さが変わるとき、
「どのテンポに戻すか?」という
指示が必要です。

メトロノーム記号などで、
曲の最初に提示されたテンポなのか、
直前のテンポなのか、
という違いです。

その他の速度に対する用語

名称読みかた意味
in tempoイン・テンポ正確な速さで、一定の速度で
tempo rubatoテンポ・ルバート速度を自由に変化させて
(rubato=盗む)
tempo giustoテンポ・ジュスト正確な速さで、速くなったり
遅くなったりせず速度を保つ
フェルマータ停止する
その音を程よく延ばす
赤字は過去問で出ています

in tempoとtempo giustoは、
ほぼ同じ意味ですが、
tempo giusto は、
変化したテンポを戻すときにも
使われます。

またフェルマータは、
その音の長さに関係なく、
「たっぷり延ばす」ので、
曲の途中だと、
一時的に止まった感じになります。

フェルマータの譜例

上記のように、
曲の最後に使われることも多く、
その場合も音価より長く延ばします。

強弱に関するもの

基本的な指示(変化はナシ)

記号読みかた意味
弱いPPピアニッシモきわめて予約
Pピアノ弱く
mpメゾピアノやや弱く
mfメゾフォルテやや強く
fフォルテ強く
強いffフォルテッシモとても強く
ぜんぶ覚える!!!

基本的にはpやfの
数が増えるにつれて、
意味が強まります。

m(メゾ)の扱いにも
注意しましょう。

次に来る指示の意味を、
「やや」弱めます。

(弱い)p < mp < mf <f(強い)

↑この順番を、
頭に入れて置きましょう。

強弱をだんだん変化させるとき

正式名称略記読みかた意味
crescendocresc.クレッシェンドだんだん強く
decrescendodecresc.デクレッシェンドだんだん弱く
diminuendodim.ディミヌエンドだんだん弱く
allargando allarg.アラルガンドだんだん遅く、
かつだんだん強く
smorzandosmorz.スモルツァンドだんだん遅く、
かつだんだん弱く
上の3つは、過去問でもよく出ています!

decrescendoとdiminuendoは、
ほぼ同じ意味です。

また、cresc.の記号:

crescendo
進行方向の右に向かって大きく!

decresc.の記号:

decrescendo
進行方向の右に向かって小さく!

これらの記号も併せて
覚えておくと良いですね。

他の記号といっしょに使われる単語

名称読みかた意味
pocoポコ少し
(強弱記号に)
poco a pocoポコ・ア・ポコ少しずつ、次第に
(強弱記号に)
piuピウ~より多く
(意味を少し強める)
(強弱記号に)
moltモルト非常に、とても
(速度記号に)
sempreセンプレ 常に
(発想記号や強弱記号に)
simileシーミレ 同様に
(指示を継続する)
過去問に出ているラインナップです!

強弱記号や速度記号の前で
「付加語」として使われます。

この4つは、
過去問で良くでています。

短い言葉なので、
覚えてしまいましょう!

奏法に関するもの

速度や強弱ではなく、
「弾きかた」に対して
指示するものです。

過去問によく出るものを中心に
まとめます。

名称略記読みかた意味
legatoレガート音符をつなげて
なめらかに演奏する
tenutoten.テヌート音符の長さを
十分に保って演奏する
sostenutosost.ソステヌートテヌートと同意だが、
曲全体につけられる
staccatoスタッカートもともとの長さより
短く切って演奏
slurスラーレガートで演奏する
範囲を示す
tieタイ同じ高さの複数の
音をつなぐ
=1つの音符に
accentアクセント強調して、強い音で
演奏する
arpeggioアルペッジョ和音を同時ではなく
上か下から順番に弾く
glissandogliss.グリッサンド2つの音の間を
滑らせるように演奏する
portamentoport.ポルタメント2つの音の間を
なめらかに演奏する
pizzicatopizz.ピッツィカート弦楽器で、弓を使わず
指で弦をはじく
ad libitumad libアドリブ自由に即興で
演奏する
a cappellaア・カペラ楽器による伴奏なしで
歌うこと
breathブレス息つぎの場所を
示す記号
赤字の記号は過去問で出ています!
記号の譜例①
記号の譜例②

レガートとタイは、
記号が似ていますが、
タイは同じ高さの2つの音に、
レガートは複数の音符に
つけられます。

ポルタメントとグリッサンドも、
奏法、記号ともに似ています。

ポルタメントは歌や弦楽器、
トロンボーンなど、
あらゆる音が出せる楽器(歌)で、
2音間のすべての音を滑らせる、
という方法です。

グリッサンドは、
ピアノの鍵盤を指で滑らせて
演奏する方法です。

曲想・発想に関するもの

具体的な演奏方法を指示するのではなく、
やや抽象的に、
音の表現方法を指示する記号です。

総合的に作曲者の想いや
演奏する時の心づもりや考え方を
伝えるものです。

これについては、
専門の演奏家も覚えきれないくらい、
たくさん
ありますが、
保育士試験で扱われる範囲にしぼって
まとめます。

名称読みかた意味
agitatoアジタート激しく、切迫して
※速度用語としても
alla marciaアッラ・マルチャ行進曲ふうに
amabileアマービレ愛らしく
appassionatoアパッショナート情熱的に
brillanteブリランテ華やかに、輝かしく
cantabileカンタービレ歌うように
comodoコモド気楽に、快適な速さで
dolceドルチェ甘く、やわらかに
espressivoエスプレッシーヴォ感情をこめて

cantabile、brillante、
dolceは頻出です!

dolceはイタリア語で
「甘いお菓子」の意味として、
街でも見かけるようになりましたね。

音楽用語の覚えかた

音楽をやっていない人によっては、
数をしぼっても覚えるのがタイヘンです。

覚えるときは、
・種類ごとに分ける
(速度、強弱・・・など)
・関連づける
(知っている単語ドルチェなど)
・単語帳、アプリなどを使う

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音楽用語まとめ

保育士試験によく出るものと、
その周辺のものに絞って紹介しました。

もし今後、未知のものが出ても、
覚えているものを軸にして、
消去法で考えられます。

ぜひ範囲を広げないで、
ゼッタイ覚えるリストを作って、
集中して覚えましょう!!