捨てない!保育実習理論♪音楽【ゼロから覚える】徹底講座⑦

徹底講座⑦保育士試験
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今回のテーマは「音程」です。

保育士試験の音楽の筆記問題で、
毎年かならず出題される
「完全●度下へ」とか「長●度上へ」という問題。

この度数であらわす「~度」のことを
「音程」といいます。

ざっくり言えば、
音と音がどれくらい離れているか
という間隔を表します。

音の高さを変える、
調を変える、
コードネームを変える・・・
あらゆる場面で「度数」「音程」が必要です。

現在の筆記問題でも、
問4と問5では、
ほぼ毎年のように出題されています。

この度数を攻略することによって、
音楽の筆記問題がだいぶラクになります。

度数の表しかた、数え方を
しっかり押さえて、
コワイ問題が無くなるように解説していきますね!

音程とは

ある2つの音の間隔(つまり離れぐあい)を
「音程」といいます。

音程は
度数(数字)+ 響きの種類を表す文字(完全、長、短など)
の組み合わせで表します。

音程が連続すると
➡ メロディになる

複数の音程を組み合わせると
➡ ハーモニーやコードになる

このように、
音程は音楽に欠かせない要素なのです。

覚えるべき「度数」とは

音楽にはあらゆる度数があります。
一番小さい「1度」から
・・・・・・無限ですね(笑)

ここでは、
試験勉強をする皆さんの負担が少しでも軽くなるように、
保育士試験に出る範囲にしぼって解説します。

これまでの過去問では、
2度、3度、4度、5度が出されています。

それ以上の度数が出る可能性もありますが、
保育の現場で考えると、
そこまで大幅に移調する機会もありません。

ということで、基本的な1度を加えて、
2~5度について覚えると良いと思います。

※余裕があれば、
ぜひ6~8度についても触れて下さいね。

度数の表しかた

♯や♭が何もつかない音(幹音といいます)どうしの音程が
基本になります。

幹音どうしの音程

同じ音どうしはゼロではなく「1度」です。

ひとつ音が離れるごとに、
2度、3度・・・と数字が大きくなります。

これをピアノの鍵盤で見てみましょう。

鍵盤上での度数

鍵盤がひとつ離れるごとに、
度数が増えていきます。

この関係は、
他の音を基準にしても当てはまります。

他の音が基準でも同じ関係

ここで「度数」を数えるポイントをまとめます。

・「ド~ミ」はドレミ、
「レ~ソ」はレミファソ・・・のように、
 2音の間にある音すべての数が「度数」になる。
(ドレミ → 3度、レミファソ → 4度)
・2音のどちらかの音を基準にして、
間にあるすべての白い鍵盤の数が「度数」になる。
 (注意:基準になる音も含めて数える)

度数ごとの「響き」の種類

保育士試験に出る
2~5度について解説していきます。

※1度についても、
基礎知識として触れますね。

音の響きは、振動数の比によって、
「完全に協和する音程」
「不完全協和な音程」
「不協和な音程」に分けられます。

今まで見てきた「度数」ごとに、
その種類を紹介します。

1度 ➡ 完全協和する音程
・・・ 同じ音どうしだもんネ!
2度 ➡ 不協和な音程
・・・ 隣りどうしだからぶつかり合っちゃう?
3度 ➡ 不完全協和な音程
・・・ 不完全なのね、ザンネン
4度・5度 ➡ 完全協和する音程
・・・ イエイ!! やった~!

この響きかたの違いを、文字で表します。

・「完全」➡ 1度、4度、5度の響きをあらわす
・「長・短」➡ 2度、3度の響きをあらわす
※「増・減」➡ 全ての度数で使われますが、
保育士試験では扱いません。

この響きの種類を、
先ほどの「度数」と合わせて、
完全4度とか、長3度とか、短2度、完全5度
・・・などと表現します。

ここで大事なのは、
「完全」チームと「長・短」チームが
混ざらないこと。

2度と3度「にいさん(兄さん)」は、
気が長い?短い?と覚えても良いかと!

もう一度、まとめます。

※ここから変化する音程はたくさんありますが、
保育士試験ではこれだけ覚えれば良し!!
(1度 ➡ 完全1度)
2度 ➡ 長2度、短2度
3度 ➡ 長3度、短3度
4度 ➡ 完全4度
5度 ➡ 完全5度      

保育士試験で出される「音程」

完全1度とは

1度の音程に関しては、
過去問では一回も出題されていませんが、
音程の基礎として触れておきます。

1度は・・・同じ音どうしの音程でしたね。

「完全」がついて「完全1度」というと、
「全く同じ音どうし」という意味になります。

同じ音どうしでも、
片方に♯や♭がつくと音の響きが変わるので、
「完全」音程ではなくなります。

完全一度とは

上の譜例で見ていきましょう。

①は「ド」と「ド」で、
鍵盤の場所も同じですね。
これが「完全1度」です。

②は両方のもともとの音は「ド」です。

しかし片方に#が付くと
「同じ音どうし」ではなくなるので
「完全」では無くなります。

③は「ド」に♯がついていますが、
両方に付いているので、
同じ「ド#」どうしで「完全」になります。

④は「ラ」どうしで「完全1度」ですね。

⑤は・・・鍵盤上では同じ音になります。
→「異名同音」と言いましたね。
・・・徹底講座④を参照

じゃあ、
鍵盤で同じ場所の音どうしだから「完全1度」では?
と、思いがちですが・・・

前の章「度数の表しかた」で、
♯や♭が何もつかない音(幹音といいます)どうしの音程」が
基本と学びましたね。

なので、⑤の音から♯や♭を取った音が
もともとの音程となるので、
「ラ」と「シ」は2度です。

何やら難しい「重増」というのが付いていますが、
これは保育士試験には出ません。

鍵盤上で同じ音であっても、
「異名同音」は「全く同じ音ではない」
を押さえておきましょう。

⑥は、同じ「ド」ですが・・・「高さ」が違います。
鍵盤上でも、かなり離れたところにありますよね。

1オクターブは「8度」となります。

長2度・短2度の違いとは

2度音程は保育士試験に出るので、
しっかり覚えましょう!!

2度とは、#や♭が付いていない状態の音(幹音)で、
隣り合っている音どうしの音程です。

2度音程とは
2度_譜例①

上記の譜例①は、
全てとなりどうしの音なので「2度」です。

しかし同じ2度でも、
音どうしの距離が違うため、響きも異なります。

その響きの違いを「長・短」で区別します。

2度の長・短の区別とは
2度_譜例②

距離が長い方が「長」、
短い方が「短」となっています。

この距離が長い、短いってどういうこと?

そこで、
今度はピアノの鍵盤で距離の違いを見ていきます。

2度の距離の違い

「ドーレ」「レーミ」
および「ファーソ」「ソーラ」「ラーシ」は、
間に黒い鍵盤があります。

それに対して「ミーファ」「シード」の間には
黒い鍵盤がなく、
ピッタリとくっついています。

2音の間に黒い鍵盤が無い分、
距離が短くなっているのです。

「実際のとなりの音」を、
ピアノの鍵盤で確認します。

実際のとなりの音とは

「音程」の度数は、
♯や♭を外した音で考えるのですが、
実際の音どうしの距離は、

黒と白の鍵盤をすべて含んだ、
となりどうしの音がいくつあるか

で決まります。

まとめると、

長2度 ➡ 鍵盤の数が 3つ
短2度 ➡ 鍵盤の数が 2つ

この「鍵盤の数」をしっかり覚えておくと、
どちらかの音(または両方)に
♯や♭がついた場合もラクになります。

では、例題を見ていきましょう。

2度音程_長短の区別
2度_例題

①~⑦の2度音程をみていきます。

まず、大前提となる「音程」は、
♯や♭を取って考えるので、
すべて「2度」ですね。

次に響きの種類「長か短か」は、
その2音に鍵盤の数がいくつ含まるか、
で決まります。

長2度 ➡ 鍵盤3つ
短2度 ➡ 鍵盤2つ  でしたね。

①の2度は「ド#」と「レ」

2度_譜例④

ドに♯がついたので、
「ド#~レ」までの鍵盤数は2つ=「短2度」となります。

③は「ミ」と「ファ♯」です。

2度_例題

「ミ~ファ♯」 の鍵盤数は3つ=「長2度」です。

続けて
④~⑦についても鍵盤の数をみていきましょう。

2度音程_譜例⑥

①♯や♭を除いた音で「度数」を出す。
②ピアノの鍵盤の数をカウントする。
 鍵盤の数3つ ➡ 長2度
 鍵盤の数2つ ➡ 短2度

長3度・短3度の違いとは

3度の音程も、
保育士試験にちょくちょく出題されています。

3度も、
2度と同じように「長・短」の響きの種類で表されます。

♯や♭を外した幹音で「3度」を見分けた後、
やはり「ピアノの鍵盤の数」をカウントして
「長・短」を区別します。

長3度 ➡ 鍵盤の数5つ
短3度 ➡ 鍵盤の数4つ

だんだん鍵盤の数が増えるので、
間違えないようにカウントしましょう。

3度音程_譜例①

2度の考え方と同じで、
同じ3度でも、
場所によって鍵盤の数が異なるので
「長と短」に分かれます。

3度音程_譜例②
鍵盤の数をもれなくカウントする!!

ここで気をつけたいのは、
白い鍵盤と黒い鍵盤を
もれなく全てカウントすることです。

飛ばしてカウントすると、
間違えてしまいますので、
ジグザグと・・・全部をカウントして下さいね。

では、
♯や♭がついて変化した場合も見ていきましょう。

3度音程_譜例③

音程の考え方は、2度の時と同じです。

①まず、
♯や♭を外して「度数」を確定します ➡「3度」
②2つの音から音まで、
含まれる鍵盤の数をカウントします。
③鍵盤の数5つ ➡ 長3度
 鍵盤の数4つ ➡ 短3度

完全4度とは

4度についても、保育士試験に良く出てきます。

4度は、響きの種類が「完全」でしたね。

では、どういう状態が「完全4度」なのか、
まずは♯や♭が付かない
幹音の状態を見ていきましょう。

4度音程_譜例①

あれ?
「ファーシ」の組み合わせだけ「増4度」?

そうなんです。
2音間に含まれるピアノの鍵盤をカウントすると・・・

4度音程_譜例②

「ファーシ」 の組み合わせだけ「7つ」、
あとの組み合わせは全て「6つ」です。

このように、
完全4度 ➡ 鍵盤の数6つ です。

同じ4度でも、鍵盤の数が5つとか7つ・・・は、
「完全4度ではない」と覚えましょう。

ちなみに・・・
「ファーシ」の組み合わせに
♯や♭をつけて「鍵盤6つ」に整えると、
「完全4度」になります。

4度音程_譜例③

①まず、
♯や♭を外して「度数」を確定します ➡「4度」
②2つの音から音まで、
含まれる鍵盤の数をカウントします。
③鍵盤の数6つ ➡ 完全4度

完全5度とは

5度についても良く出題されていますので、
覚えていきましょう。

5度は、
1度・4度と同じ「完全」の響きを持つのでしたね。

では、
どういう状態が「完全5度」なのか、
まずは♯や♭が付かない
幹音の状態を見ていきましょう。

5度音程_譜例①

あれ?
「シーファ」の組み合わせだけ「減5度」??

なんだか、
4度の時と似たような状況ですね。
ピアノの鍵盤の位置によって、
ビミョーに距離が違うのです。

2音間に含まれるピアノの鍵盤を
カウントしてみましょう。

5度音程_譜例②

「シーファ」の組み合わせだけ「7つ」、
あとの組み合わせは全て「8つ」です。

このように、
完全5度 ➡ 鍵盤の数8つ です。

同じ5度でも、
鍵盤の数が7つとか9つ・・・は、
「完全5度ではない」と覚えましょう。

ちなみに・・・
「シーファ」の組み合わせに
♯や♭をつけて「鍵盤8つ」に整えると、
「完全5度」になります。

5度音程_譜例③

①まず、
♯や♭を外して「度数」を確定します ➡「5度」
②2つの音から音まで、
含まれる鍵盤の数をカウントします。
③鍵盤の数8つ ➡ 完全5度

注意:鍵盤の数が同じでも、音程が同じとは限らない

2度~5度について、
2音に含まれる「鍵盤の数をカウント」する方法で、
音程を探してきました。

ここで気をつけたいのが、
鍵盤の数が同じ ➡ 音程が同じとは限らない  
ということです。

例を見ながら解説していきましょう。

鍵盤数=度数ではない

上の譜面では、
両方とも同じ「鍵盤の数=7つ」です。

では、
同じ音程なのかな?と勘違いしないように。
度数は「4度」と「5度」と異なります。

先に「鍵盤の数」をカウントすると、
間違いの元になってしまいます。

ポイントは、一番先に
♯や♭を外した音(幹音)で度数を出す
です。

ちなみに・・・
鍵盤7つの4度は「増4度」、
鍵盤7つの5度は「減5度」です。

どちらも保育士試験には出されませんが、
音程の導きかたとして「度数」から、
というポイントを押さえて下さいね!

まとめ 保育士試験に出る「音程」を覚えよう

音楽には、無限の「音程」があります。

しかし、
ここでは保育士試験に出る「音程」に絞って解説しました。

① 度数の求めかた
・♯や♭が付いていたら外して考え、
片方の音から、その音を含めて
白い鍵盤「ドレミファソラシド」の数を数える。

例:「レ~ソ」は「レミファソ」と数える ➡ 4度
  「ミ~シ」は「ミファソラシ」と数える ➡ 5度

②響きの種類を覚える
(保育士試験に出る範囲にしぼります)
2度 ➡ 長2度、短2度
3度 ➡ 長3度、短3度
4度 ➡ 完全4度
5度 ➡ 完全5度

③音程を「ピアノの鍵盤の数」でカウントして導く
(2音の間にある白黒の鍵盤すべて

度数鍵盤の数度数鍵盤の数
短2度2つ長2度3つ
短3度4つ長3度5つ
完全4度6つ
完全5度8つ
しっかり覚えてしまおう!!

「鍵盤の数」はおまじないだと思って
覚えてしまいましょう!
数学のむずかしい数式を覚えるよりは、
苦にならないですよね。

この①~③の工程をバッチリ頭に入れることが、
実際の問題を解くうえで最大の近道です。

今後スタートする
「問題の解きかた講座」で生かされますよ!

また、
問題を解いている過程で何かでつまづいたら、
この徹底講座に戻って
確認をするようにしてくださいね。