保育実習理論♪問題の解きかた講座②コード問題

問題の解きかた②保育士試験
この記事は約10分で読めます。

2回目は「コード問題の解きかた」です。

現在の試験制度になって以来、
コードに関する問題は必ず出ています。

問題のパターンは3種類。
①譜面に示された和音の中から、
マイナーコードをえらぶ
②示されたコードネームに対して、
当てはまる鍵盤の組み合わせをえらぶ
③譜面に示された和音に対して
当てはまるコードネームをえらぶ

初期の問題は③のパターンで2回、
それ以来ずっと②の問題が続いていました。

ところが令和3年前期の問題は、
突如①のパターンになりました。

同じようにマイナーコードを問う問題は、
平成17年に1回だけ出ているので、
久しぶりでしたね。

となると令和3年の後期では、
どのパターンが出るか読めなくなりましたが、
①でも②でも③でも困らないように、
ガッツリ解説していきますね。

保育士試験に出るコードについては、
コード①トライアド(3和音)
コード②セブンスコード(4和音)
コードの転回形

↑上記で詳しく解説していますので、
参考にしてくださいね!

①のパターン:マイナーコードを見つける

徹底講座⑨で解説したとおり、
マイナーコードはトライアド(3和音)
つまり3つの音が「3度ずつ」重なってできています。

トライアドの4種類のうち、
マイナーコードは次の【特徴】を覚えることで、
確実に見分けることができます。

マイナーコードの特徴

【特徴】
・「根音ー第3音」:短3度→鍵盤数4コ
・「第3音ー第5音」:長3度→鍵盤数5コ

マイナーコードの特徴
これはEmコード

【鍵盤数のかぞえかた】
白い鍵盤、黒い鍵盤すべてを、
ジグザグにかぞえる。
・その音から→その音までかぞえる。
例)「ド~ミ」は「ド」も含めて
「ド・ド#・レ・レ♯・ミ」→鍵盤数5コ

鍵盤数のかぞえかた
鍵盤数のかぞえかた

この【特徴】と「長3度・短3度」の調べかた、
すなわち「鍵盤数のかぞえかた」をマスターすれば、
まちがいなくコードを見分けることができます。

転回形→基本形の戻しかた

ただ「転回形」に気をつけましょう。

コードはいつも順番に並んでいるとは限りません。
根音、第3音、第5音がシャッフルしている、
つまり転回形で示されることもあります。

コードの転回形を復習

まずは基本形なのか、転回形なのかを判断、
転回形の場合は基本形に直してから、
先ほどの【特徴】をもとに判断していきます。

基本形と転回形の違い

上の画像のように、
コードの基本形は3つの音が
「3度ずつ」団子のように重なっています。

音がシャッフルして転回形になっていると、
くっつかずに離れている音があります。

この離れている音を
オクターブ上下させて移動すると、
基本形に戻ります。

転回形から基本形に

基本形に戻りましたね。
こうなれば、あとは・・・
短3度ー長3度、または鍵盤数4ー5
をチェックすればOK!

音程をチェック

この一連の流れを覚えてしまいましょう!

例題を解いてみましょう

次のコードのうち「マイナーコード」を
すべて選んでください。

マイナーコード例題

【手順①】
転回形のコードを基本形にしましょう。
パッと見て・・・⑥だけが基本形で、
あとはすべて転回形ですね。

オクターブ移動

すべてのコードが基本形になったら、
あとは音程をチェックします。
短3度・長3度、鍵盤数4・5コですね。

マイナーコード例題_答え

すべての音程(鍵盤数)をチェックした結果、
上記のようになりましたか?

すると答えは②④⑤です。

ちなみに①~⑥のコードネームは、
①Ddim ②Am ③F
④Gm ⑤Cm ⑥E♭aug
でした!

他のコードを復習する

マイナーコード以外がでたら・・・

令和3年前期の問題では、
マイナーコードを問われましたが、
他のコードが出る可能性もあります。

他のコードといっても、
保育士試験で扱うのは、
・トライアド(3和音)4種
・セブンスコード(4和音)2種
に限られると思います。

トライアド
(3和音)
①メジャー②マイナー③オーギュメント④ディミニッシュ
セブンスコード
(4和音)
①セブンス②メジャーセブンス
保育士試験に出るコード6種

もしマイナーコード以外のコードが出たら、
マイナーコードの時と同じ手順で解きましょう。

手順①転回形のコードは基本形にする
手順②音程(鍵盤数)をコードの特徴にそって
チェックする

他のコードの【特徴】は覚えていますか?


コードの種類根音-第3音-第5音の
音程のくみあわせ
根音-第3音-第5音の
鍵盤数のくみあわせ
メジャーコード長3度短3度5コ4コ
マイナーコード短3度長3度4コ5コ
オーギュメントコード長3度長3度5コ5コ
ディミニッシュコード短3度短3度4コ4コ
トライアド(3和音)の特徴

トライアドの復習

コードの種類第7音の
考えかた①
第7音の
考えかた②
セブンスメジャーコード

短3度(鍵盤数4コ)
根音の1オクターブ上の音
から
長2度(鍵盤3コ)下の音
メジャーセブンスメジャーコード

長3度(鍵盤数5コ)
根音の1オクターブ上の音
から
短2度(鍵盤2コ)下の音 →となりの鍵盤!!
セブンスコード(4和音)の特徴

セブンスコードの復習

これだけでは分かりにくい方は、
ぜひ徹底講座を読んでみて下さいね!!

②のパターン:コードネームに合う鍵盤の位置をえらぶ

令和2年の後期問題まで10年以上、
このパターンが続きました。

令和2年後期_コード問題
令和2年後期の問題

再び出る可能性は大きいので、
しっかり対策をしておきましょう。

コツ① コードネームをみて音が書けるように

コードネームを見て、
構成音をまちがいなく書けること。

保育士試験に出る可能性が高い、
・トライアド(3和音)4種
・セブンスコード(4和音)2種
これらの6種のコードの特徴を確実に覚え、
構成音が書けるようにしておきましょう。

問題に出ているコードネーム、
アルファベットが「根音」です。

・アルファベットのみ→メジャーコード
・小文字「m」→マイナーコード
・小文字「aug」→オーギュメント
・小文字「dim」→ディミニッシュ

・アルファベット+7→セブンス
・アルファベット+major7→メジャーセブンス

問題用紙の横に、
構成音をチャッチャと書いていきましょう。

先ほどの令和2年後期の問題で
やってみましょう。

コードの構成音
F#ファ#・ラ#・ド#
Gmソ・シ♭・レ
B♭7シ♭・レ・ファ・ラ♭
Caugド・ミ・ソ#
コードネームをみて含まれる音を書く!

コツ② セブンスコードの第5音は省略される

令和2年後期の問題を見てもわかるように、
それぞれのコードには、
3つの音しか割りふられていません。

トライアド(3和音)はもともと3音ですが、
セブンスコード(4和音)は4音なのに・・・。

徹底講座でも解説しましたが、
セブンスコードの4つの音のうち、
コードの特徴づけに必要な音のランク付けをすると、
第5音が一番省略しやすいので、
カットされることが多いです。

セブンスコードの省略音
第5音が省略されることが多い

先ほどの令和2年後期の問題でも、
回答の選択肢には、
3つずつしか音の番号が書かれていませんね。

セブンスコードの回答例_令和年後期

このB♭7も、もれなく第5音は省略されていて、
根音と第3音、第7音の組み合わせが問われていました。

B♭7の第5音を省略すると、
この3つの音になりますね。

B♭7シ♭・レ・(ファ)・ラ♭
B♭7の3つの構成音

この「セブンスコードの第5音は省略される」
というポイントを押さえれば、
落ち着いて答えにたどりつけるでしょう。

コツ③ 音はいろいろな高さで出される

コードに含まれる3つの音を、
しっかり書ければOK!

・・・ですが、
この3つの音は「基本形」として
順序よく鍵盤に配置されることはないです。

ほとんどの場合シャッフルされて
いろいろな高さに配置されます

なので重要なポイントは、
鍵盤に示された番号の音を、
高さに惑わされずにしっかり読む!です。

先ほどの令和2年後期の問題の、
鍵盤の音を読んでみましょう。

鍵盤の音をしっかり読む
黒い鍵盤は♯で使う場合と♭で使う場合がある!

ここで注意したいのが、
黒い鍵盤の読みかたです。

コードによっては、
♯の音で使う場合と、
♭の音で使う場合とに分かれます。

どちらの音でも読めるようにしましょう。

コツ④ 解きかたの手順

コツ①②③をふまえて、
解くときに大事なのが手順です。

手順は大きく2パターン。
あなたが「やりやすい方」でやってみてくださいね。

【手順1】
1)コードを見て構成音をメモする。
2)メモした音を鍵盤の位置から拾う。
3)2)で拾った音と、回答に示された
鍵盤の位置番号を照らし合わせて正解を導く。
(迷った場合は消去法で)

【手順2】
1)コードを見て構成音をメモする。
2)回答例に示された鍵盤の位置番号を、
鍵盤を見ながらすべて音で書く
3)1)で書いたメモと2)で書いた音を
照らし合わせて正解を導く。
(迷った場合は消去法で)

特に大事なのが、手順1の
コードネームをみて構成音をメモすること。

ここが間違っていては、
答えが見つかりません。

覚えるべき6種類のコードは、
しっかり音が書けるようにしておきましょうね!

では、2つの手順を使って、
実際に例題で解いてみましょう。

例題~2つの手順で解いてみよう~

例題はこちらです。

コード問題_例題
答え_組み合わせ

上記の問題を読んだら、
どちらの手順を使うにせよ、
まずは「しっかりコードの音」を書きましょう。

コードの音をしっかり書こう!
【間違いなくチャチャッと書こう】

解きかた_手順1

1)コードネームを見て構成音をメモする。
2)同時に、当てはまる鍵盤の番号もメモする。

コードネームコードの構成音左の音の鍵盤の位置番号
C♯mド♯・ミ・ソ♯⑦⑲・⑩・②⑭
Daugレ・ファ♯・ラ♯⑧⑳・⑫・④⑯
A♭7ラ♭・ド・(ミ♭)・ソ♭②⑭・⑥⑱・(⑨)・⑫
G♭ソ♭・シ♭・レ♭⑫・④⑯・⑦⑲

※音によっては、2か所ある場合もあるので、
注意して拾っていく。

3) 2)で拾った音と、
回答に示された鍵盤の位置番号を
照らし合わせて正解を導く。

鍵盤の位置でチェックする

正しい組み合わせは・・・
C♯m→イ、Daug→ア
A♭7→ウ、G♭→イ

回答は4でした!

解きかた_手順2

1)コードを見て構成音をメモする。

C♯mド♯・ミ・ソ♯
Daugレ・ファ♯・ラ♯
A♭7ラ♭・ド・ミ♭・ソ♭
G♭ソ♭・シ♭・レ♭

2)回答例に示された鍵盤の位置番号を、
鍵盤を見ながらすべて音で書く

音名を拾っていく

3)1)で書いたメモと2)で書いた音を
照らし合わせて正解を導く。

音を照らし合わせる

正しい組み合わせは・・・
C♯m→イ、Daug→ア
A♭7→ウ、G♭→イ

回答は4でした!

どちらの方法でも構いません。
多少こまかく解説してますので、
途中のプロセスをカットしても良いですよ。

③のパターン:譜面の和音に合うコードネームをえらぶ

この問題は、
平成16年と18年に出ました。

平成16年の問題_コード

このパターンが再び出るかどうか・・・

もし出たとしたら、ポイントは2つです。

調号に気をつけて「基本形に直す」
✓音程をチェックしてコードネームを導く

パターン3の解きかた

そうすると答えは「4」ですね。

・調号を見て「きちんと♯や♭をつける」
・転回形を「きちんんと基本形に直す」

この2つが出来れば、
このパターンの問題は大丈夫です。

こちらは平成18年の問題です。

平成18年の問題_コード

この問題も同じように、
調号→♯をふたつ「ファとド」につける、
という点が大事です。

パターン3の解きかた②

答えは「5」ですね。

パターン3問題は出る確率は低そうですが、
もし出たとしたら・・・
・調号に気をつける
・きちんと基本形に戻す
を念頭に置いて解いてください。

まとめ コードの構造をしっかりおぼえること

今回はコード問題の解きかたを解説しました。

どのパターンの問題が出るか、
まったく予想がつきませんが、
共通して言えることは以下です。

コード問題のために大事なこと
  • 試験にでる6種類のコードの構造
    しっかりおぼえる。
  • コードネームをみて
    構成音を書けるようにする
  • 転回形を基本形になおすことが
    できるようにする。

この3つのポイントがとっても大事です。

たくさんの練習問題を解くまえに、
しっかり上記のポイントを押さえて下さい。

分からなくなったら、
ぜひコードの徹底講座で学んでくださいね!