捨てない!保育実習理論♪音楽【ゼロから覚える】徹底講座⑪

保育士試験
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今回のテーマは、
コードの転回形です。

徹底講座⑨と⑩で、
トライアドとセブンスを解説しました。

解説したのは、
コードの基本形でした。

保育士試験に出るのは、
解説した6つのコードに限られます。

徹底講座⑨トライアド(3和音)を見る
徹底講座⑩セブンス(4和音)を見る

覚えるためには、
真っ先に基本形で頭に入れましょう。

しかし・・・

保育士試験に出るコードは、
いつもお行儀よく並んでいるわけではないのです。

つまり、コードの構成音が
シャッフルして問題に出てくることが多いのです。

そこで今回は、シャッフル・・・
つまり「転回形」について解説します。

どんなにシャッフルしても、
何のコードか見抜けるように
準備していきましょう!!

コードの転回形

コードの音の積み重ねは、
・根音ー第3音ー第5音
・根音ー第3音ー第5音 ー第7音
が基本です。

しかし楽曲によっては、
音の流れや響きによって、
必ずしも順番通りに並ばないのです。

オクターブ違いの音になったり、
同じ音が高さ違いで重複して出てきたり。

コードの転回形

このように、
「基本形」の音がシャッフルした状態を、
「転回形」と言います。

音楽理論の本には、
「第1転回形、第2転回形・・・」と
専門用語で説明されています。

しかし保育士試験では、
「第〇転回形ですか?」という問題は出ません。

なので「転回形」の名前は覚えなくてOK。

とにかく、わたしたちが取り組むのは、
シャッフルした状態のコードに対して、
・譜面上でコードネームを突きとめる
・バラバラの鍵盤の位置から
コードネームを突きとめる

以上ができるようになることです。

コードの転回形→基本形に戻すコツ

コードの「転回形」・・・パッと見ただけでは
何のコードか分かりにくいですね。

コードネームを突きとめるには、
「基本形」にサッと戻して考えましょう。

トライアド(3和音)を基本形に

ここで思い出したいのが、
コードの成り立ちが「3度ずつ」の音の積み重ね
ということ。

「3度ずつ」ということは、
五線譜にあらわすと・・・

3つの音が規則的に並ぶはず。
つまり・・・

線ー線ー線
あいだーあいだーあいだ

・・・この間隔になるハズです。
※なんのこっちゃ、という人はコチラ↓↓

コードの構成音の並びかた

団子のようにくっつくのは、
♯や♭が付いても同じです。

コードの構成音の並びかた②

「基本形のトライアドは団子状に並ぶ」
を念頭において、
先ほどの転回していたコードを見てみましょう。

まず「線の音」から。

Cメジャーコードの転回形

基本形から転回すると、
規則的には並んでいなくて、
音どうしの間隔がビミョーに空いてますね。

トライアドの基本形に戻すには
①オクターブ違いの音を下げる(上げる)
②3度以上はなれている音をうごかす
③同じ音が重複している場合は1個に限定する
という作業をします。

転回形からトライアド基本形へ①
ぜんぶCメジャーコード

「線の音」も同じように作業します。

転回形からトライアド基本形へ②
ぜんぶDmコード

転回形のコードも、
基本形に直せば「コードネーム」が分かりますね。

また、試験問題によく出てくる
「鍵盤の音につけられた番号から
コードネームに合う組み合わせを選ぶ」のも、
音を集めて「3度ずつ」に重ねれば・・・OK!

セブンスコード(4和音)を基本形に

音が4つ重なったセブンスコードも、
基本形は「3度」ずつ積み上げられているので、
団子状に連なっています。

セブンスコードの基本形

3度ずつ積み上がった音は
団子状になるという原則を覚えます。

それでは、
上述のセブンスコードの転回形を見ていきましょう。

ぜんぶC7メジャーコード
すべてC7コード

セブンスコードが転回すると、
音どうしの間隔がビミョーに空いたり、
逆に近づきすぎたりします。

セブンスコードの基本形に戻すには
①オクターブ違いの音を下げる(上げる)
②団子状にくっついていない音をうごかす
③近づきすぎている音を3度ずつの関係にはなす
④同じ音が重複している場合は1個に限定する
という作業をします。

セブンスコード基本形への戻しかた

転回形のコードも、
基本形に直せば「コードネーム」が分かりますね。

また、試験問題によく出てくる
「鍵盤の音につけられた番号から
コードネームに合う組み合わせを選ぶ」のも、
音を集めて「3度ずつ」に重ねれば・・・OKですね!

コードの省略形

コードの基本形、転回形について見てきましたが、
実は並びかたが変わるばかりでなく、
場合によって音が「省略」されることがあるんです。

そ、そんな・・・ですよね。

でも大丈夫。
保育士試験のコード問題では、
たった一つのコードにしか当てはまりません。

それは「セブンス」の時です。

C7とかG7とか。

セブンスは、
根音ー第3音ー第5音ー第7音という作り。

このうち、省略しても
セブンスの特徴を大きく失わない音、
つまり「第5音」が省略されることが多いのです。

※根音が省略されることもありますが、
保育士試験では・・・出ません。

セブンスの省略形

この省略形は、
ピアノの伴奏の左手によく出てきます。

セブンスの省略形_左手

実際に保育現場で弾くこともありますから、
覚えておいて下さいね。

この形で問題がでたら、
どうやってコードが分かるんですか~?

HAPPY先生
はっぴい先生

ホント、困っちゃいますね。
やはり「3度ずつの積み重ね」が
ヒントになります。

問題の解きかた講座で
詳しく解説しますね!

問1の伴奏問題や、
「鍵盤の音にふられた番号」から
コードネームをわりだす問題に、
この省略形と転回形が出てきます。

これから問題にトライしていきますが、
分からなくなったら何回も、
この徹底講座を見直して基礎をかためてくださいね。

まとめ

保育士試験に出るコードは6種類ですが、
これまで解説してきた「基本形」に加えて、
「転回形」についてお伝えしました。

コードはいつも基本形ではなく、
たびたび転回形となって出てきます。

転回形で出てきたときは、
基本形に直して考えるのがポイントです。

基本形に直すコツは、
①オクターブ違いの音を下げる(上げる)
②団子状(3度の関係)になっていない音をうごかす
③近づきすぎている音を3度ずつの関係にはなす
④同じ音が重複している場合は1個に限定する

という作業をします。

慣れてくると、基本形に直さなくても
すぐにコードネームがひらめくようになりますが、
慣れるまでは必ず基本形に直すことをおススメします。

またセブンスコードの「セブンス」は、
第5音が省略されることが多いこともポイントです。

セブンスなのに音が3つしかない!
と慌てないように。

並べ替えてもトライアドにならない場合は、
セブンスの第5音省略形の可能性が大きいです。

落ち着いて並べ替えてみてくださいね!

この基礎をふまえたうえで、
問題の解きかた講座に進んでください。

コード問題は・・・必ずでます!!
がっつり覚えていきましょう。