今回のテーマは、
コードの転回形です。
徹底講座⑨と⑩で、
トライアドとセブンスを解説しました。
解説したのは、
コードの基本形でした。
保育士試験に出るのは、
解説した6つのコードに限られます。
徹底講座⑨トライアド(3和音)を見る
徹底講座⑩セブンス(4和音)を見る
覚えるためには、
真っ先に基本形で頭に入れましょう。
しかし・・・
保育士試験に出るコードは、
いつもお行儀よく並んでいるわけではないのです。
つまり、コードの構成音が
シャッフルして問題に出てくることが多いのです。
そこで今回は、シャッフル・・・
つまり「転回形」について解説します。
どんなにシャッフルしても、
何のコードか見抜けるように
準備していきましょう!!
コードの転回形
コードの音の積み重ねは、
・根音ー第3音ー第5音
・根音ー第3音ー第5音 ー第7音
が基本です。
しかし楽曲によっては、
音の流れや響きによって、
必ずしも順番通りに並ばないのです。
オクターブ違いの音になったり、
同じ音が高さ違いで重複して出てきたり。
![コードの転回形](https://hoikuen-job.club/wp-content/uploads/2021/08/021f859818afc904480752ee1651b588.png)
このように、
「基本形」の音がシャッフルした状態を、
「転回形」と言います。
音楽理論の本には、
「第1転回形、第2転回形・・・」と
専門用語で説明されています。
しかし保育士試験では、
「第〇転回形ですか?」という問題は出ません。
なので「転回形」の名前は覚えなくてOK。
とにかく、わたしたちが取り組むのは、
シャッフルした状態のコードに対して、
・譜面上でコードネームを突きとめる
・バラバラの鍵盤の位置から
コードネームを突きとめる
以上ができるようになることです。
コードの転回形→基本形に戻すコツ
コードの「転回形」・・・パッと見ただけでは
何のコードか分かりにくいですね。
コードネームを突きとめるには、
「基本形」にサッと戻して考えましょう。
トライアド(3和音)を基本形に
ここで思い出したいのが、
コードの成り立ちが「3度ずつ」の音の積み重ね、
ということ。
「3度ずつ」ということは、
五線譜にあらわすと・・・
3つの音が規則的に並ぶはず。
つまり・・・
線ー線ー線
あいだーあいだーあいだ
・・・この間隔になるハズです。
※なんのこっちゃ、という人はコチラ↓↓
![コードの構成音の並びかた](https://hoikuen-job.club/wp-content/uploads/2021/08/0368b55fcf6e35cbc077d5db6e29f13e.png)
団子のようにくっつくのは、
♯や♭が付いても同じです。
![コードの構成音の並びかた②](https://hoikuen-job.club/wp-content/uploads/2021/08/9edc9c7d339a3a1a8a6acc239bedc1e9.png)
「基本形のトライアドは団子状に並ぶ」
を念頭において、
先ほどの転回していたコードを見てみましょう。
まず「線の音」から。
![Cメジャーコードの転回形](https://hoikuen-job.club/wp-content/uploads/2021/08/916192e24907dd59b2c3707849dc39fc.png)
基本形から転回すると、
規則的には並んでいなくて、
音どうしの間隔がビミョーに空いてますね。
トライアドの基本形に戻すには
①オクターブ違いの音を下げる(上げる)
②3度以上はなれている音をうごかす
③同じ音が重複している場合は1個に限定する
という作業をします。
![転回形からトライアド基本形へ①](https://hoikuen-job.club/wp-content/uploads/2021/08/f4904d1b4185adc2d9259527d3aa14cb.png)
「線の音」も同じように作業します。
![転回形からトライアド基本形へ②](https://hoikuen-job.club/wp-content/uploads/2021/08/8fe7a023402ecde03de001b6b7cd5419.png)
転回形のコードも、
基本形に直せば「コードネーム」が分かりますね。
また、試験問題によく出てくる
「鍵盤の音につけられた番号から
コードネームに合う組み合わせを選ぶ」のも、
音を集めて「3度ずつ」に重ねれば・・・OK!
セブンスコード(4和音)を基本形に
音が4つ重なったセブンスコードも、
基本形は「3度」ずつ積み上げられているので、
団子状に連なっています。
![セブンスコードの基本形](https://hoikuen-job.club/wp-content/uploads/2021/08/410c440106a86c6a84d1dc1f9576009f.png)
3度ずつ積み上がった音は
団子状になるという原則を覚えます。
それでは、
上述のセブンスコードの転回形を見ていきましょう。
![ぜんぶC7メジャーコード](https://hoikuen-job.club/wp-content/uploads/2021/08/72c189283df5d6b5fcd589e236aa472d.png)
セブンスコードが転回すると、
音どうしの間隔がビミョーに空いたり、
逆に近づきすぎたりします。
セブンスコードの基本形に戻すには
①オクターブ違いの音を下げる(上げる)
②団子状にくっついていない音をうごかす
③近づきすぎている音を3度ずつの関係にはなす
④同じ音が重複している場合は1個に限定する
という作業をします。
![セブンスコード基本形への戻しかた](https://hoikuen-job.club/wp-content/uploads/2021/08/e4207623c98e99392a632a5461e00533.png)
転回形のコードも、
基本形に直せば「コードネーム」が分かりますね。
また、試験問題によく出てくる
「鍵盤の音につけられた番号から
コードネームに合う組み合わせを選ぶ」のも、
音を集めて「3度ずつ」に重ねれば・・・OKですね!
コードの省略形
コードの基本形、転回形について見てきましたが、
実は並びかたが変わるばかりでなく、
場合によって音が「省略」されることがあるんです。
そ、そんな・・・ですよね。
でも大丈夫。
保育士試験のコード問題では、
たった一つのコードにしか当てはまりません。
それは「セブンス」の時です。
C7とかG7とか。
セブンスは、
根音ー第3音ー第5音ー第7音という作り。
このうち、省略しても
セブンスの特徴を大きく失わない音、
つまり「第5音」が省略されることが多いのです。
※根音が省略されることもありますが、
保育士試験では・・・出ません。
![セブンスの省略形](https://hoikuen-job.club/wp-content/uploads/2021/08/cc1563281b06b2b0e6a91bece101897f.png)
この省略形は、
ピアノの伴奏の左手によく出てきます。
![セブンスの省略形_左手](https://hoikuen-job.club/wp-content/uploads/2021/08/e7861f6ae09fd970307a57419430b7ed.png)
実際に保育現場で弾くこともありますから、
覚えておいて下さいね。
![](https://hoikuen-job.club/wp-content/uploads/2021/05/68f1ca2078c4615d80f4bbfc3894aa96-300x255.png)
この形で問題がでたら、
どうやってコードが分かるんですか~?
![HAPPY先生](https://hoikuen-job.club/wp-content/uploads/2021/05/9C60A33A-F6B8-4D2B-8831-83D57CB98381-1-1-e1621383028982.jpeg)
ホント、困っちゃいますね。
やはり「3度ずつの積み重ね」が
ヒントになります。
問題の解きかた講座で
詳しく解説しますね!
問1の伴奏問題や、
「鍵盤の音にふられた番号」から
コードネームをわりだす問題に、
この省略形と転回形が出てきます。
これから問題にトライしていきますが、
分からなくなったら何回も、
この徹底講座を見直して基礎をかためてくださいね。
まとめ
保育士試験に出るコードは6種類ですが、
これまで解説してきた「基本形」に加えて、
「転回形」についてお伝えしました。
コードはいつも基本形ではなく、
たびたび転回形となって出てきます。
転回形で出てきたときは、
基本形に直して考えるのがポイントです。
基本形に直すコツは、
①オクターブ違いの音を下げる(上げる)
②団子状(3度の関係)になっていない音をうごかす
③近づきすぎている音を3度ずつの関係にはなす
④同じ音が重複している場合は1個に限定する
という作業をします。
慣れてくると、基本形に直さなくても
すぐにコードネームがひらめくようになりますが、
慣れるまでは必ず基本形に直すことをおススメします。
またセブンスコードの「セブンス」は、
第5音が省略されることが多いこともポイントです。
セブンスなのに音が3つしかない!
と慌てないように。
並べ替えてもトライアドにならない場合は、
セブンスの第5音省略形の可能性が大きいです。
落ち着いて並べ替えてみてくださいね!
この基礎をふまえたうえで、
問題の解きかた講座に進んでください。
コード問題は・・・必ずでます!!
がっつり覚えていきましょう。