4回目は問6に出てくる、
「~調の階名××は音名△△である」
のような音階の問題の解きかたです。
問6には他にも
「~長調の調号は♭が××個つく」
のような問題も出ますが、
このタイプの問題は
問題の解きかた③で詳しく解説しています。
この「~調の階名・・・」問題を解くには、
✓各調の音階(調号を覚える)
✓「階名」と「音名」の違い
以上の2点をおさえると、
ラクに解くことができます。
音階と調号については、
徹底講座⑧でも詳しく触れているので、
参考にして下さいね。
各調の音階をおぼえよう
問6に出てくる問題は、
次のような文に対して
〇か×かで答えます。
上の問題を見ると、
♯や♭がつく音をねらって、
ひっかけやすい問題であることが分かります。
そこでまず各調の音階を、
調号とともに確実におぼえる必要があります。
保育士試験で扱われる調は、
ハ長調を含めて6種類。
この7種類の音階をまず頭に入れましょう。
各調の調号(♯や♭が何コつくか)
を覚えるだけではなく、
「どこにつくのか」までしっかり覚えましょう。
【♯や♭が増えるとき何の音につくか】
♯がつく順番➡「ファ・ド・ソ」
♭がつく順番➡「シ・ミ・ラ」
【♯や♭が増える順で「調名」を覚える】
♯:トニイ
♭:ヘロホ
↑ただし「ヘロホ」の「ロホ」は、
「変ロ・変ホ」とするのを忘れずに!
「階名」と「音名」の違いとは
各調の音階をおさえたところで、
次は「階名」について覚えましょう。
♯や♭が何コついたとしても、
それぞれの音は「何番目の音」
としての役割があります。
その役割が分かるように、
「ハ長調」の時の読みかた、
すなわち・・・
一番目の音 → ド
二番目の音 → レ
三番目の音 → ミ
と読む方法を「階名」といいます。
ドを移動させて読むので
「移動ド唱法」ともいいます。
それに対して、どんな調であろうが、
ピアノでいうと「鍵盤上の場所」を表す読みかたを
「音名」といいます。
つまり「楽譜で表される音」が
「音名」ですね。
まとめると、
「階名」とは:
音階が何調になっても、
主音(一番目の音)から「ドレミファソラシド」
と読んだときの音。
「音名」とは:
ピアノでいうと鍵盤の場所を表す音、
すなわち楽譜で表される絶対的な音。
「ド」「ソ♯」「変ロ」「嬰二」「E♭」など。
ちなみに、
保育士試験で出される場合の「音名」は、
日本語音名が使われます。
音名の日本語よみに慣れていない人は、
ぜひ覚えておきましょう。
♯は「嬰(えい」♭は「変」です。
問題を解く手順は
では実際に問題を解く手順について
見ていきましょう。
前述の過去問を使って解説しますね。
示された調の音階をイメージする
平成31年前期の問題ですと、
示された調は「ニ長調」です。
頭でイメージできる方は必要ありませんが、
実際に書くと分かりやすい方は、
用紙の余白に書きましょう。
「ニ長調」ですから、
音階の始まりの音は「レ」
♯は2つ、つく場所は「ファとド」です。
これらをメモします。
イメージした音階に「階名」を当てはめる
ここに「階名」を書き入れ、
問われている「シ」の音を、
日本語の「音名」で導きだします。
そうすると「ニ長調」の階名「シ」は
「ド♯」だと分かります。
当てはめた音を日本語よみにする
「ド♯」を日本語よみにすると「嬰ハ」
問題は
<ニ長調の階名「シ」は、音名「ハ」である>
なので答えは「✕」でした!
練習問題にトライ!
ではこの手順を使って、
次の問題にトライしてみましょう。
変ロ長調の階名「シ」は、音名「変イ」である。 〇か×か。
【手順1】
示された調の音階をメモする。
変ロ長調だから・・・
音階の始まりの音は「シ♭」
♭は2つ、つく場所は「シとミ」ですね。
【手順2】
メモをした音階に「階名」を書く。
そうすると「変ロ長調」の階名「シ」は
「ラ」だと分かります。
【手順3】
当てはめた音を「日本語よみ」にする。
「ラ」を日本語よみにすると「イ」
問題は
<変ロ長調の階名「シ」は、音名「変イ」である>
なので答えは「✕」でした!
まとめ 6つの音階の調号はおぼえる
今回は「保育実習理論」の問6に出やすい、
「~調の階名××は音名△△である」
の問題の解きかたを解説しました。
なんといっても欠かせないのは、
保育士試験で扱われる、
6つの音階の調号を覚えること!
具体的には、 ✓♯と♭が3つ付く調まで覚える ✓♯や♭が増えていく順番に調を覚える ✓♯や♭が何の音につくか増える順番に覚える
加えて、
「階名」と「音名」をしっかり区別する
このポイントをおさえれば、
意外とかんたんに解くことができます。
調や調号は他の問題にも役だつので、
ぜひおまじないのように覚えてしまいましょう!!